「ビジネスシューズでおしゃれをしたい」あなたに伝えたい「残酷な現実」

「かっこいい革靴がほしい」

「他と差をつけるビジネスシューズはないかな?」

おしゃれに関心があるあなたは、一度はこのように考えたことがあるのではないだろうか。

筆者も、間違いなくその1人だ。コロナ以前は熱心に服を買いあさり、靴に至っては合計数十足は買ってきただろう。今でも、革靴はこだわったものを履いている。

しかし、「ビジネスシューズでおしゃれ」という考え方は的外れ、と聞いたらどうだろうか。「おしゃれは足元から」という言葉に踊らされ、こだわる方向性がずれていると、かえって「ダサく」なるのが革靴、ひいてはスーツスタイルの難しさだ。

この記事を読めば

・スーツスタイルを個性的に見せ、ビジネスで信頼を勝ち取る革靴の「考え方」

・選ぶべき革靴

が明確に理解できる。それではいってみよう。

革靴は全身の5%しかない

「服装をかっこよく見せたい」と考え、デザインされた革靴に真っ先に走ろうとするあなたは、残念ながら永遠にかっこよくなれないだろう。

考えてみてほしい。全身に占める革靴の割合は何%だろうか。

筆者の革靴の全高は測ってみると9cm。他方スタイル全体でみると、筆者の身長は174cm、革靴のヒールで2.5cm底上げされるので174+2.5=176.5cmだ。つまり、革靴のスタイル全体に占める割合は9÷176.5=5%。これは非常に小さな割合だ。

たった5%程度のために、ゴテゴテしたデザインの靴を選ぶのは、果たして賢明なのだろうか。他にもっとやることがあるのでは?そもそも凝ったデザインや色柄は、本当に必要なのだろうか

革靴は「悪目立ち」する

「たった5%で目立たないなら、どんな革靴だって問題ないじゃないか」

こう考える方もいるかもしれない。ここで、革靴のもう1つの法則をお伝えしよう。

それは、変な革靴はスーツスタイルを台無しにするという法則だ。

5%の法則でも述べたとおり、革靴でプラス点を狙うのは限界がある。しかし、変なものを履くと大きなマイナス点がつくのが革靴というアイテムだ。

実際のところ、いくら高くて上質な革靴を履いても、値段に応じたプラス点にはなりづらい。しかし、ロングノーズの靴や丸すぎる靴などの極端なデザインのもの、あるいはボロボロの革靴は目立ってしまうのだ。そして、どんなにいいスーツを着ようが、どんなに髪型をキメようが、「たった5%の面積しかない」靴によってあなたの印象は台無しになってしまう

「おしゃれ」な革靴の考え方とは

以上の2つの原則を踏まえると、奇抜なデザインの靴は避け、シンプルなものを選ぶべきだ。

そもそも、「おしゃれ」とは何だろうか。色柄の合わせ方やシルエットなど、様々な要素があるだろう。しかしビジネスシーンにおいては、「自分の個性を引き出し、ビジネスマンとして相手に信頼される」ことではないだろうか。

洋服だけでなく専門性やマネジメントといったスキルを鍛え、規則正しく健康的な生活を心がけてパフォーマンスを高める・・といった蓄積が血色や表情、覇気となって外面に出る。そうして初めてビジネスシーンでの「おしゃれ」が完成するということだ。

洋服はあなたのビジネスマンとしての個性を引き出す手段の一つで、革靴はその一部であることを認識しよう。

どんな革靴を選べばいいのか

結論から言うと「黒のストレートチップ」が最適だ。これを複数足揃え、交互に履き回そう。

ストレートチップとはつま先に1文字の切り返しが入ったデザインで、穴飾りのないものがより正式だ。

黒とした理由は、年代やシーンを選ばないからだ。茶の靴はフォーマルシーンや堅い職場では使えない、もしくは使いづらい。また、若いビジネスマンが茶の靴を履くと、どうしても軽い印象になってしまう。

革靴はお手入れをし、1日履いたら2日ほど休ませる(同じものを毎日履かない)のが基本だ。

まず最初は1万円台の表面加工のされていない、ナチュラルな仕上げの革を使った靴を買って靴との付き合い方を習慣づけよう。

俺の洋装
俺の洋装

そうして長持ちさせるスキルが身につき、最低でも1年間いい状態で履けるようになったら、10万円以上の革靴にステップアップしてみてほしい。

「たかが」5%、「されど」5%

革靴単体でおしゃれを演出するのは至難の業だ。なぜなら、いい革靴を履くことで大きくプラス点を取ることはできないからだ。しかし、大きなマイナス点になりうるのも革靴だ。目立つ装飾があったり、お手入れがされていない、ボロい靴は一瞬で相手からの信頼を下げてしまう。

であれば、無難なストレートチップを極めることから始めよう

いい革靴はお手入れをすれば10年単位で愛用できる。老舗ブランドのチャーチやクロケット&ジョーンズ、さらにはジョンロブやエドワードグリーンのような高級靴はもちろん、そこまで予算をかけられないならリーガルの3万円以上のラインで用意すれば間違いない。

もしお手入れに不安を感じるようなら、今履いている靴やもう少し安い靴で練習してからステップアップするのがおすすめだ。

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