「革靴で指が痛くなる」というのは大きなストレスを伴う問題だ。
革は馴染むため、履き込んでいけば解決する場合も多い。しかし、場合によっては馴染んでいたとしても起こる。この場合は、別途対策をすることで解決できるのだ。
今回は「指が痛い」問題の原因と対処法を解説していきたい。
目次
指の部分は馴染みにくく、痛みが長期化しやすい
革靴の中でも馴染みにくいのが指の部分だ。理由は単純で、革靴にかかる力が小さいから。
逆に土踏まずなどの中央部は体重や強い力で折れ曲がるため、馴染みやすい。
小指が痛い場合の対処法
小指は最も痛みが起こりやすい部分だ。特におろしたての靴の場合、必ずといっていいほど靴擦れする。
デリケートクリームを塗り込む
これを解決するにはデリケートクリームを塗るのがおすすめだ。
内装が革でできている場合、まずは内側にクリームを入れる。その後、外側にもクリームを入れてみよう。革を柔らかくすることで指への負担を軽減したり、馴染むスピードを早めることができるのだ。
これで様子を見て、もし痛みが軽減されないようなら原因を深堀りし、別の方法を試すのがいいだろう。
ストレッチャーを使う
数ヶ月以上履き込んだ場合でも改善されない場合、靴の形を変えることも考えよう。靴と足の形状があっていないため、靴側に加工をするのだ。
器具は「ストレッチャー」を使うが、家庭用と業務用の2種類がある。家庭用のものは1500円程度で手に入るが、靴の一部分だけを伸ばす仕様になっている。対して靴修理店で扱う業務用のストレッチャーは長時間かけ、広範囲に渡って修正をかける。そのため、型くずれしにくく革の厚みも一定に保つことができる。
親指が痛い場合の対処法
親指が痛い場合は数パターン存在し、対処法も異なる。
・靴に「噛まれる」
・つま先に足が当たる
あなたはどちらに当てはまるだろうか?順番に解説していこう。
靴に「噛まれる」場合
履きシワが足に食い込み、痛みを伴うパターンだ。
通常、履きシワは適度に浅く入る。しかし、靴のサイズが大きかったり足の甲が低い場合、靴と親指の間に天地方向の空間ができる。この空間に折れ曲がった革が入り込み、シワが深くなる。深いシワは足に食い込んでしまうのだ。
インソールを入れる
ではどうすればいいか。サイズを「下げ」ればいい。
ちなみに、「サイズを上げる」という解決法は逆効果だ。大きい靴にすればゆとりが生まれ、シワも指に食い込まないと思うかもしれない。しかし、先ほど説明したように「噛まれる」のは靴と指のすき間が大きいことが原因だ。大きい靴になるほど空間が大きくなり、シワは余計に深くなる。そうして深く、鋭く曲がった革があなたの足を直撃するのだ。
逆に、空間を狭くすれば革の食い込みは減る。理想はサイズの小さい靴に変えることだが、多少大きい靴なら補正できる。インソール(中敷き)を入れ、足の高さを上げてみよう。これですき間を減らし、革が足に刺さる状態を和らげることができる。
インソールは「厚み」を変えることでサイズの調整幅を変えることができる。微調整程度でいいなら薄いものを、しっかり補正したいなら厚いものを選ぼう。
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返りをつける
特に新品の靴の場合、「馴染んでいない」ことが原因で「噛まれる」ことがある。その場合に有効なのが「靴を曲げる」ことだ。
靴は大きく分けて「アッパー」と「ソール」の2パーツからできている。アッパーは比較的早く馴染むが、ソールは固く、屈曲しずらい。特に3万円以上の靴は頑丈な作りになっている場合も多く、この傾向が強い。
履いて間もない頃はアッパーとソールの屈曲に差が生まれ、革が指に刺さりやすくなる。通常であればソールが曲がることによって指の位置が下がり、アッパーの食い込みから逃げることができる。しかし新品の靴の場合はアッパーは曲がってもソールが曲がらないため、指が逃げられなくなってしまうのだ。
そこで靴の爪先とかかとを持ち、ぐいっと曲げてみよう。ソールに曲がりぐせが付き、指が逃げられるようになる。
つま先が靴に当たる場合
縦の長さが足りない
つま先の先端が靴につっかえる場合は靴のサイズが小さい。この場合、残念ながら諦めたほうがいいだろう。靴の「縦の長さ」は変えることができないからだ。
歩行時する際は、靴の中で足が少し前に動いている。靴のサイズが小さいとつま先が靴の先端ににぶつかり、痛みが出てしまうのだ。