革靴とローファーの違いとは?

日本では学生の象徴の1つでもある「ローファー」。

しかし、ぱっと見は普通の「革靴」だ。

「革靴」と「ローファー」は一体何が違うのだろうか?

今回は、革靴とローファーの違いについて解説していこう。

ローファーは革靴の1種類

「革靴」と「ローファー」の関係は、「果物」と「りんご」の関係に似ている。つまり、ローファーとは革靴の一部なのだ。

革靴の中にはローファー以外の種類がいくつもある。たとえば、ストレートチップやプレーントゥなども「革靴」の一部だ。

ローファーってどんな靴?

ローファーは紐やバックルがついていない革靴のことだ。革の部分だけで足を固定するため、サイズの選び方が難しいという特徴がある。

また、他の革靴に比べて足の露出する部分が多いため、春夏のファッションでも重宝される。

ローファーは革靴の中でもカジュアルな性格

「革靴」とひとくくりにいっても、種類ごとの特徴が存在する。ローファーは革靴の中でもカジュアルな部類の靴だ。

「ローファー」の語源は「怠け者」を意味する「loafer」だ。靴紐を結ばなくていい「ラクな靴」として考案された。このため、正式な服装が求められる場にはそぐわないとされているのだ。

学生用のイメージがある理由

ローファーは学生靴のイメージがあるが、この文化はアメリカから輸入されたものだ。

1950〜60年代、ローファーはアメリカ東海岸の大学生たちの間で大流行した。彼らは1セントコインを甲の切れ込みの部分に入れ、お守り代わりにしていた。紺のブレザーなどとともに「アイビー」と言われるこのスタイルは、日本にも輸入されて大流行した。

ちょうど同じ頃、日本では学校制服の導入が始まる。このときに靴として選ばれたのが、アメリカで流行していたローファーだったのだ。1セントコインを入れる文化までは継承されなかったが、アイビー人気の影響があったのは間違いないだろう。

ローファーはどんなときに履けばいいのか?

学生であれば通学から冠婚葬祭まで使用して問題ないだろう。なぜなら、制服の指定靴になっているからだ。

しかし、大学生以上の年代になるとカジュアル〜ビジカジ(クールビズ)までにとどめたいところだ。

先述のようにローファーはカジュアルな性格を持つ。そのため、フォーマルや厳格なビジネススタイルでは軽く見え、アンバランスになってしまうのだ。

ローファーはスーツに合うのか

上下揃いのスーツの場合、ローファーは合わせないほうがいい。ただし、クールビズでジャケットを着ない場合や、ジャケパンスタイルであれば相性がいい。

スーツスタイルには紐かバックルのついた靴が適している。また、スーツの色にもよるが黒または濃茶を選ぶといいだろう。

ローファーは結婚式や葬式でも使える?

冠婚葬祭のようなフォーマルシーンではまず合わせない方がいいだろう。カジュアルな靴のため、こうしたシーンには相容れないものだ。

冠婚葬祭には黒の紐靴、できればストレートチップを履くべきだ。詳しくは下記の記事で紹介しているので、参考にしてほしい。

フォーマルで使える革靴の種類とは?

ローファーにも種類がある

革靴の形態の一つがローファーだが、そんなローファーの中にもさらに種類がある。

ここでは、ローファーの種類とそれぞれの性格について解説していきたい。

ペニーローファー

 

「ローファー」と聞いて真っ先に思い浮かべるのがペニーローファーではないだろうか。ローファーの最も基本的な形でもある。

アメリカで流行していたのもこの形で、コインを入れられる切れ目が入っているのがおわかりいただけるだろうか。「ペニー」とは当時の1セントコインのことで、切れ目に1ペニー硬貨をお守りとして挟んでいたことが名前の由来だ。

タッセルローファー

タッセルとは房飾りのこと。比較的おしゃれに敏感な女子高生の中にはタッセルローファーを使っている人も見かける。

比較的守備範囲が広いのがタッセルローファーの特徴で、アメリカの弁護士の間ではスーツに合わせる文化もあった。本来はおすすめできないが、ローファーの中でもきっちりした立ち位置にいる種類でもある。

また、リザードなどのエキゾチックレザーやコードヴァンといった変化球の素材が使われることも多いのが特徴だ。

ビットローファー

イタリアのハイブランドであるグッチによって考案されたのがビットローファーだ。

グッチのブランドアイコンでもある馬蹄形の飾りがあしらわれているのが特徴である。金具がついているがゆえのギラツキ感をどうあわせていくかが問われる、少し難易度が高い靴だ。

ローファーの本国であるアメリカでもこの種の靴が流行し、日本においてもサラリーマンの間で人気を博した。

コブラヴァンプ

完全にカジュアルな部類のローファーがコブラヴァンプだ。

一見シンプルなものの甲部分が1枚革で構成されており、主張の強い靴となっている。スーツにはまず合わせることができないだろうし、そのリラックスした見た目ゆえビジネスシーンでも使いづらいだろう。

アメリカ・フローシャイム製のコードヴァン素材のものが有名だが、現在は廃盤になっている。また、希少なコードヴァン素材ということも相まって中古市場でも高値で取引される傾向にあるようだ。

コブラヴァンプ自体は様々なブランドから販売されているため、休日用に1足持っていても面白い。

ローファーはカジュアルやクールビズに活躍する万能アイテム

ローファーは革靴の一種で、カジュアル〜オフィスカジュアルに活躍する守備範囲の広いアイテムだ。

また、ローファーと一口に言っても様々な種類がある。「学生の靴」といって18歳で卒業してしまうのではなく、スニーカーに飽きてきた大人の方にもぜひおすすめしたいアイテムだ。

ただし、ローファーはサイジングが難しい靴でもある。紐やバックルで調整が効かないため、各部のフィット感を注意深く検討して購入してほしい。

革靴のサイズの選び方を解説【キツめがいい?】

 

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