革靴は履いていくと曲がってくる。
あなたの靴も、写真の靴のような形になっていないだろうか?
革靴はつま先が反り上がると、途端にみすぼらしくなってくる。自分の靴を見て、あなたもそう思っているはずだ。
しかし安心してほしい。つま先の反り上がり程度ならカンタンに治すことができるし、正しい管理によって反り上がりを未然に防ぐこともできる。
この記事を読み終える頃には
・革靴の反り上がりを防ぐ「正しい」管理方法
・反り上がってしまった靴を治す方法
が明確に理解できる。それではいってみよう。
目次
革靴は何もしないと反り上がってくる
あなたは革靴を履いて帰宅後、そのまま下駄箱にしまっていないだろうか?あるいは、そのまま脱ぎっぱなしにしていないだろうか?これだと靴はすぐに型崩れし、つま先は反り上がってしまう。
反り上がりを防ぐには「シューキーパー」を使う
革靴を使い終わったあとはシューキーパーを入れて保管しよう。これは靴のハンガーのようなもので、使っていない間に靴の形を整えてくれる。
特に、使用した後は必ず入れることが重要だ。革は水分が蒸発する際に形が整うという性質を持っている。そして、使用した後の革靴は多くの汗を吸収している。
1日使った後の革靴にシューキーパーを入れることによって、汗の乾燥と反り上がり・型崩れのリセットを同時に行うことができるのだ。この状態で丸2日ほど休ませれば、型崩れしていない靴をずっと使うことができる。
ちなみに、連日同じ革靴を履き続けるのはNGだ。休ませる期間が短すぎるので、いくらシューキーパーを使っても型くずれを回復できない。また、革靴にも足にも悪影響を与える。
シューキーパーの選び方
サイズがあっていれば基本的には何でもいいが、「スプリング式」か「ネジ式」がおすすめだ。また、かかとの部分が立体的になっているものがいい。少し値段が張るが、かかとも含めた靴全体の形を整えることができる。
ネジ式
金具部分のネジを調節し、任意の長さに変えることができる。ただし、靴のサイズに合ったものを選ぼう。
ただしこのタイプは値が張り、8000円〜が相場だ。かかとの剛性が弱くなったビンテージの靴などに向いている。
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スプリング式
内蔵されたバネの力で靴の形を整える。価格的にも手を出しやすいので、おすすめだ。
相場は5000円ほど。素材は防虫・消臭効果のあるレッドシダーがいいだろう。
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バネ式
また、安く済ませたい人はバネ式でもいいだろう。つま先の反り上がりを防ぐには十分だが、ネジ式やスプリング式のほうが立体的な形に仕上げることができる。
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シューキーパーの使い方
まず靴の甲の部分を押さえ、シューキーパーの前半分を入れる。
次に、シューキーパーの後ろ半分を押し、スプリングの部分を縮ませながらかかとの部分を入れる。
バネ式の場合は、バネをぐいっと曲げて入れていこう。
完成!
「反り上がり」と「トゥスプリング」の違い
シューキーパーを使えば反り上がりは「必ず」防ぐことができる。
「シューキーパーを入れてもつま先が接地しない」と悩む方もいるだろうが、直す必要はない。これは「トゥスプリング」といって靴の構造上必要なものだ。そのままにしておこう。
靴の爪先は本来、少し反り上がっている場合が大半だ。新品時の靴の写真があるなら確認してほしいのだが、つま先は接地していないのではないだろうか。
このような多少の反り上がりを「トゥスプリング」という。トゥスプリングによって自然な歩行姿勢を実現することができるのだ。
ほとんどの靴にはトゥスプリングがつけられているが、一部のイタリア靴にはないものもある。この場合、シューキーパーを入れればつま先が接地するはずだ。
すでに反り上がった靴は「丸洗い」で直せる
シューキーパーを使うのは反り上がりの「予防」のときだ。では、すでに反り上がってしまった靴はどうやったら直せるのだろうか。
筆者がおすすめするのは、「水で革靴を洗う」方法だ。革は水分が蒸発する際に形が決まる性質を持っている。これを利用して、反り上がりや型崩れを回復させるのだ。
今までろくにシューキーパーも入れずに履かれた革靴は、つま先の反り上がり以外にも型くずれを起こしている場合が大半だ。よくあるのが、「両足のかかとの高さが違う」といった具合だ。
水洗いをすることで、こうした型崩れを一網打尽にすることができる。詳しいやり方は以下の記事を見てもらうことにして、今回は「型崩れを直す」ことに特化した注意点を述べておこう。
型崩れを直す目的で水洗いをする場合、ミソは「乾燥時にシューキーパーを入れる」ことだ。新聞紙などで代用してはいけない。必ずシューキーパーを使おう。
具体的には、半乾きの状態になった段階で、半日置きにシューキーパーを入れて形を整えよう。
なぜ半日おきにするかというと、カビが生えてしまうからだ。シューキーパーを入れっぱなしにすると内部の乾燥が進まないため、形を整えつつ内部までしっかり乾燥させることが重要だ。これで丸3日ほど乾燥させよう。
丸洗いで失敗する事例の大半は乾燥に失敗し、カビを生やしてしまうことだ。慣れている人でも、カビを生やす場合がある(つい最近、筆者も失敗した)。こうなると最初からやり直しになるので、くれぐれも注意してほしい。
もし、
「自分でやる自信がない」
「3日も乾燥に時間をかけるのは無理」
という場合は、プロに頼んでみるのも手だ。カビさせる心配もないし、つま先の反り上がりや型崩れがしっかりリセットされて戻ってくる。
有名なのは「くつリネット」で、1足3000円程度で申し込むことができる。郵送で対応してくれるので、全国どこからでも依頼することが可能だ。