カジュアルな革靴の選び方!フォーマルな靴との違いも解説

「カジュアルで革靴を履きたいけど、休日に仕事靴を履いていると思われたくない」

「スニーカーはいまいちピンとこない・・・」

そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないだろうか。

そうした休日の革靴問題は大人の男性ほど持ちやすいものだ。スニーカーで育った大人たちも多い中、世の中では「革靴=仕事靴」というイメージが根付いているのも確かだ。

しかし、休日でも革靴を履くという考え方は海外では当たり前のこと。イタリアやイギリスの紳士はおしゃれに革靴を履くのが得意だ。

こう聞いて「自分にはファッションセンスがないから無理」などと諦めないでほしい。革靴の正しい選び方を知ることで、高度なファッションセンスがなくてもカジュアルに革靴を履くことができる。

カジュアルな革靴は何を見て選ぶべきか

カジュアルで使える革靴を選ぶ際に見るべきポイントは3つ。「靴全体の形」「つま先のデザイン」「素材」だ。

「靴の色」もカジュアル度に影響するが、実は上の3つよりも優先度が低い。カジュアルで使える黒靴も多いが、逆に私服に合わせづらい茶色の靴も多く見受けられるからだ。

上記の3つを総合的に見て判断していくが、すべて当てはまっている必要はない。自分なりに総合点が高いと考えられれば、私服でも使える靴ということになる。

こう聞いて「結局は慣れでしょ?」と思うかもしれない。たしかにそのとおりではあるが、筆者なりに「配点の高い」ポイントを示していくので参考にしてほしい。

靴の形が丸いとカジュアル目になる

カジュアルなウイングチップ。丸くボリュームがある形をしている。

フォーマルな革靴の例。この靴はまずカジュアルには使えないだろう。

最も配点が高いのが「靴の形」だ。なぜなら、革靴の印象をもっとも左右するからである。

カジュアルで使える革靴は全体的に丸いシルエットをしている。逆に、シュッとした形やロングノーズの靴はビジネス向きと考えてほしい。

また、靴の形に影響を与えやすいのが「ストームウェルト」というディテールだ。このパーツが付いていると靴全体の幅が広くなり、靴底まわりの存在感が増す。こういった靴はカジュアルにも使いやすい。

ストームウェルト。靴の縫い目付近のパーツ(ウェルト)がL字型の断面になっている。

一般的な革靴のウェルト部分。スッキリとしたウェルトで、きれいめな印象を与える。

つま先のデザインがカジュアルなこと

靴の形よりも配点は低くなるが、つま先のデザインも重要だ。

もちろん、こうした模様があっても靴の形が細身である場合は仕事靴の色彩が強くなることは注意しておきたい。

形が丸く、以下の模様が施された革靴ならカジュアルにばっちりハマるだろう。

プレーントゥ

日本製「リーガル」の靴

プレーントゥはつま先の飾りがないシンプルなデザインだ。だからこそ、靴の造形や素材などが靴の印象に大きく影響する。つまり、カジュアル靴にも仕事靴にもなる、ある意味でごまかしの効かないデザインなのだ。

カジュアルに使えるプレーントゥは靴の形が丸いことが唯一の条件だ。形さえ丸ければ、色が黒であっても休日に使うことができる。上の写真ほど丸ければ、十分にカジュアルでも使うことができる。

ウイングチップ

ウイングチップは飛んでいるかもめのようなデザインが施された靴のことだ。このデザインも休日向きの代表格である。もとはアイルランドの農業用の靴が起源とされており、歴史的にもカジュアルな位置づけとなっている。

形の丸いウイングチップは、カジュアルにこそ最適な靴だ。同じウイングチップでもスマートな造形であればスーツに使うこともできる。筆者的にはもっとも使いやすく、今でも愛用している靴のひとつだ。

Uチップ

つま先にU字状に施されたステッチが特徴だ。このステッチが立体的であればあるほど、カジュアル向きの靴になる。

起源は狩猟靴と言われており、ウイングチップと同じくカジュアル向けのデザインであることが、歴史からも読み取れる。

この種の靴はアメリカやフランスのメーカーが得意としており、パラブーツの「シャンボード」はあまりに有名だ。

Uチップに関しても形が丸いものは特にカジュアル向けと考えていい。逆にスーツに合わせるにはちぐはぐ感が出るので、履き回しをする際には注意しよう。

ローファー

もはやつま先の形ではないが、ローファーもカジュアル向けの靴だ。この場合は、「必ず」丸いつま先のものを選ぶようにしよう。

もともとローファー自体がスーツに合わない靴とされているため、カジュアルには大手を振って履いて問題はない。

ただし、最近では下図のようなスマートなローファーが多いが、こういった靴は買わないようにしよう。

マッケイ製法のローファー

なぜなら、こうしたスマート系のローファーは使いづらいからだ。スーツにも合わないし、かといってカジュアルスタイルで使うにはきれいめすぎるのだ。結果、クールビズなどのスマートなジャケットスタイルぐらいでしか出番がなくなってしまう。

素材がカジュアルなこと

最後に、素材も靴の印象に影響する。靴の形やつま先のデザインに比べて優先度は劣るものの、表情や立体感のある素材の靴を選ぶとおしゃれな印象を与えることができる。

ただし、基本的に普通のレザー以外はスーツとの相性が悪い。履き回しを考えている場合はよく考えてから購入しよう。

グレインレザー

型押しの入った革を「グレインレザー」という。模様が穀物の粒に似ていることから、こう呼ばれている。

狩猟などに使われる靴のため、カジュアルな起源をもっている。また、表面に凹凸があるため、傷も目立ちにくいという強みも持っている。

スエード

スエードは光沢がないため、普通の服にも合わせやすい。逆に一般的なビジネススーツは生地に光沢があるため、ちぐはぐな印象になってしまうだろう。

形が比較的スマートなものを選べば、ジャケットスタイルでも活躍してくれるはずだ。

服装によって最適な革靴を選ぶ

今回はカジュアルに使える革靴の選び方について解説した。

革靴は丸くボリュームがあるほど、カジュアルになる傾向がある。

一口にカジュアルと言っても、人によってカジュアルスタイルは異なるだろう。アメカジの人はカジュアル感の強い靴を選べばいいし、きれいめなジャケットスタイルが中心の人は素材をスエードにするだけでいいかもしれない。今回解説した3つの要素を参考に、自分はどのスタイルの革靴を選べばいいか考えてみるといいだろう。

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