傷がついた革靴の手入れ方法は?ある程度なら自分でできます

お気に入りの革靴を履いていると必ずと行っていいほど遭遇する「傷」。

出先で気づけば、その後ずっとブルーな気分になる。帰宅後に気づけば疲れが増す・・・。

そんな経験はないだろうか。筆者にはある。

傷がついた革靴はどう手入れすればいいのか?

革靴に使われている素材によって異なるが、今回は牛革の靴という前提で解説しよう。

大前提として革靴についた「傷」自体を完全に消し去ることはできない。

革は死んだ動物の皮膚を原料としているため、生きている皮膚のような傷の回復機能は失われているからだ。

あくまで「目立たなくする」という意識でお手入れを行おう。

軽度なら自分で直せる

指で触っても凹凸を感じない、浅い傷の場合は自分で対処するのが一番いいだろう。

この場合、傷はほぼ消えたも同然、というレベルにまで回復させることができる。

軽い摩擦によって表面の油分(潤い)が取れてしまったものと考えられる。

確かに革自体にも傷がついているが、「傷」というよりは軽く「荒れた」程度と考えていい。

ただし、表面加工のされたガラスレザーの場合はこの限りではない。

比較的高級な素材なら心配はないが、安いガラスレザーの場合は色が剥げてしまうこともある。

この場合は傷が目立ってしまうだろう。色付きのクリームを使おうにも、このような素材は色が入りにくいため、補色も難しい。

ブラッシングで目立たなくなる

まずは豚毛ブラシでブラッシングしてみよう。ほぼ目立たなくなるはずだ。

傷の部分を重点的に行うことで、革の奥に残っている油分を表面に行き渡らせることができる。

オイルアップすれば、ほぼ消える

油性の靴クリームでお手入れをするとほぼ見えなくなる。

ただし筆者の場合はブラッシング後、次のメンテナンスのタイミングまで放置しておくレベルだ。

表面が削れてしまい、色のついた部分がが剥げてしまっているときは色付きのクリームを使ってみよう。

ただし色を選ぶ際はなるべく靴の色味と同じ物を選ぶこと。

「靴の色味よりも薄めのものを」という意見もあるが、これだと筆者の経験上中途半端な仕上がりになってしまう。

またクリームは効果があるものと逆効果になってしまうものがある。

今回のような場合、おすすめはサフィールノワールの「クレム1925」だ。

他のクリームが革の上に色を乗せる「顔料」を使っているのに対し、こちらは革に浸透する「染料」を使っている。

そのため、元の風合いを損なわず、なおかつ自然な色味に仕上げることができるのだ。

ここまで、浅い傷の直し方を説明してきた。

筆者自身は、自分の手入れで対処するのはこのレベルまでと決めている。

えぐれ・凹みはプロに任せたほうがいい

指で触って凹凸を感じる場合は、えぐれや凹みが起きている可能性が高い。

他サイトを見てみると「アドカラー」や「ヤスリ」を使用して巧みに補修している人も多い。

しかしあなたが靴修理職人でない限り、このレベルの補修は自分で行わないほうがいい、と筆者は考える。

なぜ、自分でやらないほうがいいのか

理由は簡単で、仕上がりが汚くなる可能性が高いからである。

特にヤスリを使う場合、かえって靴を傷つける可能性がある。

予期せぬ場所にヤスリを当ててしまったり、逆に深く削りすぎてしまうケースが後を絶たない。

アドカラーやレノベイティングに関しても素人が扱うには難易度が高く、仕上がりが汚くなる可能性のほうが高い。

表面を平らに仕上げるには手先の器用さと技術が必要だ。

 

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