本格紳士靴の基準とも言える「グッドイヤーウェルト製法」。
「紳士のたしなみ」だとか「一生モノ」だとか様々言われているものの、一度履いてみたいと感じたのではないだろうか。
グッドイヤーウェルト製法の革靴は私自身愛用しているし、履き心地や耐久性も高い。
あなたにも自信を持っておすすめしたいと考えている。
しかし、一口に「グッドイヤーウェルト製法」といっても様々なブランドから様々なデザインが発売されている。
「結局のところ、なにを選べばいいの?」
かつて何十足の靴を集めてきた筆者が、そんな疑問にお答えしよう。
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目次
筆者のおすすめは「リーガル」の3万円以上のラインで、かつ「黒のストレートチップ」
この記事を読まれる方は少なくともグッドイヤーウェルト製法の革靴をはじめて買う方が多いだろう。
その場合、革靴1足目にふさわしい靴をおすすめする。
というのも、グッドイヤーウェルト製法はお手入れをしながら大切に扱えば、5年以上は平気で使えるからだ。
そうすることで、ビジネスからフォーマルまで幅広く対応することができる。
ではなぜ
- 「リーガル」の3万円以上のライン
- 「黒のストレートチップ」
がいいのか、解説していこう。
なぜ、「リーガル」の3万円以上のラインなのか
まずは「リーガル」というブランドを選択した理由について。
要約すると「ベーシック」で「履き手を選ばない」からだ。
またリーガルではセメント製法からグッドイヤーウェルト製法まで、幅広い製法の革靴を展開している。
グッドイヤーウェルト製法は比較的上級のラインになるため、安くても3万円前後の予算が必要になってくる。
ベーシックな造り
いまや国内外から様々なグッドイヤーウェルト製法の靴が提案されている。
しかし、その中には木型(靴の形を決める、服でいう型紙のようなもの)に癖があり、履き手を選ぶ靴も数多く存在する。
当然人の足はそれぞれ違う形をしているし、靴の形と相性が合わない場合もある。
こういった悲劇は海外ブランドのみならず、国産ブランドの靴であっても数多く起こっている。
その中にあってリーガルは、時代によって変化する日本人の足型を長年にわたって研究し、シニアから若い世代まで履くことのできる革靴を造り続けている。
リーガルの標準ウィズは2Eとなっているが、サイズを少し落とせば筆者のような幅狭足(ウィズはD)の人でも快適に履くことができる。
それでいて、縦の長さが足りなくなるようなことはない。
ベーシックなデザイン
ベーシックなデザインのいいところは、流行に左右されない点である。
リーガルのグッドイヤーウェルト製法の靴は、奇をてらったデザインが少ない。
靴や服では、耐久性とは物理的な面とデザイン上の面の2種類がある。
国産メーカーでもデザインに特徴がある靴はたくさんある。
しかしグッドイヤーウェルト製法で靴自体に耐久性があったとしても、デザイン上の耐久性は低くなる。
たとえばロングノーズのスタイリッシュなシルエットだと、細い裾幅のトラウザーズしか合わない。
もし流行や好みの変化で着るスーツの傾向が変わると、靴も一緒に使えなくなってしまう。
素材と製法
これは物理的な耐久性にも関連する。リーガルの靴は、筆者から見て頑丈である。
それでいて、所有欲を満たす上質さも兼ね備えている。
グッドイヤーウェルト製法と言っても色々で、造りの良いもの悪いもの、また素材の良いもの悪いものが存在する。
素材や造りが荒いと、雨に降られてしまったときなどに壊れやすくなったり、使用するたびにボロくなっていってしまうのだ。
リーガルは中底の素材もしっかりしていて割れる心配も少なく、芯材も頑丈なものが使われている。
お手入れや修理を繰り返しながら長く付き合っていくことが可能だ。
リーガルの3万円以上の靴がいい理由を説明したところで、次はデザイン上の点について解説したい。
つまり、「黒いストレートチップ」を選ぶべき理由についてだ。
なぜ、「黒いストレートチップ」なのか
「ストレートチップ」とは、画像のようなデザインのこと。爪先部分に一文字の切り返しがあるだけのデザインだ。
革靴は基本的にビジネスや冠婚葬祭メインで使うという方が多いだろう。
スーツスタイルやフォーマルスタイルに最適なのが、「黒いストレートチップ」である。
こうした服であれば合わないものを探すほうが難しい、超定番のデザインでもある。
逆にカジュアルには使えなくなってしまうものの、フォーマルなシチュエーションは誰しも1回はあるもの。
つまり、懐刀として誰しも持っておくべきなのがこのデザインなのだ。
具体的なおすすめモデル
リーガルの靴は、底材が革でできているものとゴムでできているものがある。
革底は紳士靴の本格的な仕様で、吸湿性が高く蒸れにくい。が、濡れた路面で滑りやすく、お手入れが必要だ。
ゴム底は実用性は高いものの吸湿性は低く、革底と比較して底周りも分厚くなってしまいがちだ。
ただし吸湿性については底材による影響はそこまで高くない。
グッドイヤーウェルト製法である以上革のライニングを使っている点は一緒なので、あまり気にはならないはずだ。
おすすめの革靴・革底編
リーガル・01DRCD
[リーガル] ストレートチップ 革底 01DR CD ブラック (24.0)
リーガルのフラッグシップとも言えるモデル。
高級ブランドにも使われているアノネイ社製のカーフレザーを使用している・・・と、どこでも見かけるような能書きよりも靴自体の完成度が高い。
文句なしにおすすめできるモデルだ。
もちろんレザーの質も高いのだが、コバ周りに施された「矢筈仕上げ」によってソールが薄く見える。
小手先のロングノーズではなく、細やかな気配りでスマートかつ品よく見せるこの仕様が、ビジネスやフォーマルに使いやすい。
製造はリーガルの新潟工場。
リーガルの中でもランクの高い靴が作られる工場だ。
熟練の職人が素材を厳選し、一つ一つ丁寧に仕上げている。
多くの国産ブランドが中物にコルクシートを使っているのに対し、この靴は本来のグッドイヤーウェルト製法に倣い練コルクを敷き詰めている。
オーセンティックなラウンドトゥで、これなら細身でも、ゆったり目のトラウザーズにも合うだろう。
筆者も履いたことがあるが、親しい人にぜひ勧めたいと思ったモデルだ。
ただし、人気商品ゆえ売り切れることも多い。リーガルの直営店なら手に入りやすいので、近くにある場合は試着して購入するのがおすすめだ。
シェットランドフォックス・ケンジントンⅡ
[リーガル] SHETLANDFOX シェットランドフォックス メンズビジネス ストレートチップ 011F SF (B, 24.5cm)
シェットランドフォックスはリーガルの上級グレード。
車で言うトヨタとレクサスの関係だと思ってもらって構わない。
こちらはハイグレード志向な方におすすめだ。01DRCDがクラウンだとすれば、ケンジントンⅡはレクサスLSのような立ち位置となる。
このケンジントンⅡの特徴は土踏まず部分のみマッケイになっていること。
これによりグッドイヤーウェルトの弱点である屈曲性をカバーしているのだ。
その他の部分はグッドイヤーウェルトで仕立てられる。
少し凝った製法にはなってしまうが、靴のシルエットそのものはきわめてオーソドックスである。
こちらはリーガルの新潟工場ではなく、千葉県松戸市の「ビナセーコー」という工場で委託製造している。
ビナセーコーは凝った意匠が得意で技術力も高い。
リーガルの質実剛健さというよりは、どちらかというと華のある靴が得意な工場ではないだろうか。
おすすめの革靴・ゴム底編
リーガルトーキョー・W516

画像出典:リーガルトーキョー『2017年ドレスシューズ人気BEST3』https://base.regal.co.jp/blog/regal-tokyo/blog-4363/
リーガルらしい質実剛健な造りの靴がこちら。
革底ではなく英国製の「ダイナイトソール」を使用したストレートチップだ。
製法はすべてグッドイヤーウェルト製法。
ノーズの短いオーソドックスな仕様で、合わせるスーツを選ばない。
こちらも作りは非常に頑丈なので、ソールを張り替えながら10年単位で使用することができるだろう。
ダイナイトソールを使用してはいるものの、アッパーは特別な加工を施さないレザーが使われている。
そのため、雨に降られたときは必ずお手入れをしてほしい。逆にお手入れをしっかり行えば、雨の日に使っても何ら問題はないと考えていいだろう。
むしろガラスレザーなどのアッパーを選んでしまうと革の耐久性がどうしても低くなってしまう。
長く使いたいなら普通のレザーのほうがいい。
上記記事は最新ではないため、リーガルトーキョーの店舗に在庫状況を確認の上、購入してほしい。