セミマッケイ式製法とは?修理や雨の日使用はできるのか

「セミマッケイ」とはどんな製法だろうか?「セミ」とついているのだからマッケイ製法の簡易バージョンだろうか?

セミマッケイ製法ってなに?

マッケイ+セメント製法で仕立てた靴

セミマッケイ製法とは、ヒール部分以外(つまり、ソールの露出している部分)をマッケイ製法、ヒール部分をセメント製法で仕立てた靴のことである。マッケイ製法とセメント製法の違いは靴の上部(革の部分)とソール(靴底)の接合方法である。マッケイは縫って接合し、セメントは接着剤で接合する。一般的には前者のほうが高級な製法とされていて、「セミマッケイ」はそのハイブリッドということになる。

上記の写真を見てほしい。底縫いがヒールの直前で途切れていることがおわかりいただけるだろうか。この靴は、縫いがかかっていない部分はセメントで仕立てられている。つまり、セミマッケイ製法の靴ということができる。

リーガルの中価格帯の靴に多い

ところで、「セミマッケイ製法」という名前で売られている靴は国産の「リーガル」の中価格帯が大多数を占める。しかし、ヒール部分のみセメント製法で底付けを行うマッケイ製法の靴は、市場にはごまんとあるのだ。そしてそれらの多くは「マッケイ製法」という売り文句で流通している。つまり市場のメインストリームは、たとえヒール部分の底付けがセメント製法であっても「マッケイ製法」と呼ぶことである。したがって、セミマッケイ製法の靴は、マッケイ製法で作られたリーガルの靴のうち一部モデル、と解することができるのだ。

雨の日には履かないほうがいい

雨の日に履けるのか。結論から言うと履かないほうがいい。これは革底のみならずラバーソールでも同じだ。

出典:リーガルオンラインショップhttps://www.regal.co.jp/shop/g/g810RBGA____B____235/

上図はセミマッケイ製法の靴底だが、ステッチがあるのがおわかりだろうか。マッケイ製法の場合はこのステッチ(出し縫い)が靴内部と直結しているため、雨の日に履いてしまうとステッチを通じて水が内部に侵入してしまう。また革底の場合は底材そのものが水を通すため、特に水が入りやすい。ちなみにグッドイヤーウェルト製法であれば出し縫いが靴内部までつながっていないので、特にラバーソールであればただちに雨が侵入してくることはない。

ではマッケイの靴がすべて雨の日に履けないのかというと、実はそうではない。少しお金はかかるが適切なカスタムをすれば、雨の日に履くことも可能だ。記事の後半で紹介する。

修理はできるのか

基本的にマッケイ製法と同じと考えていい

マッケイと同じということがわかったら、修理もマッケイと同じと考えればいい。セミマッケイ製法の靴は、当然ながら修理することができる。一番メジャーな修理を下記に記しておくのでご参考までに。

ヒール交換

ヒール交換は製法のいかんを問わずできる修理の1つ。トップリフトだけなら、専門店で3000〜4500円で交換することができる。

ただ、この価格帯であればトップリフトとヒールブロックが一体化した「ブロックヒール」がついていることも多い。この場合は、ヒールブロック交換よりも安くなることもある。ヒールはすり減ったら必ず交換しておこう。削れすぎたヒールのまま使っていると靴自体が歪んでしまうし、歩行姿勢にも無理が出てきてしまう。結果、健康を害する可能性も出てきてしまうので、ぜひ修理をしてほしい。

オールソール

セミマッケイ製法はオールソールもすることができる。靴底をまるごと張り替えることができるのだ。

お値段は1万円〜ほど。使用する底材によっても変動する。

「スポンジソール」へのオールソールで雨の日にも強いコンフォートシューズに

セミマッケイの革靴で私の好きな使い方があるので紹介しよう。修理屋さんに持っていき、ミッドソールを入れて二枚底のダブルソール仕様にする。その際、出し縫いはミッドソールまでかけてもらい、アウトソールは接着にしてもらおう。アウトソールの選び方がポイントで、スポンジソール(Vibram社のガムライトなど)を選択する。カスタムのタイミングとしてはアッパーの状態さえ良ければソールに穴が空いてきてからでもいいし、少々もったいないが新品の靴に行うのもありだ。金額は大体1.5-2万円程度見ておけばいいだろう。

スポンジソールは、例えるなら低反発まくらのような質感を持つソールで、柔軟性と衝撃吸収性に優れている。そのため、柔軟なマッケイ製法と組み合わせれば、まるでコンフォートシューズやスニーカーに近い履き心地を得ることができる。

マッケイの弱点をカバー

マッケイ製法の弱点としてオールソールが2回程度しかできない修理性の低さ、雨の日に弱いことが挙げられるが、この方法なら接着したアウトソールの交換だけで済む(=再度出し縫いをしなくていい)ので、ソールが磨り減っても何度でもオールソールが可能だ。雨天時の使用についても通常のマッケイ製法と違ってアウトソールに出し縫いが露出しないため、縫い糸を伝って靴内部に水が侵入するのを防ぐことができる。革靴愛好家の間ではグッドイヤーウェルト製法がもてはやされがちだが、マッケイ製法にも長く愛用できるポテンシャルがあることを、ぜひ知っていただきたい。

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