革靴は水に弱いと言われるが、まして雪道となればなおさらだ。
しかしビジネスマンは雪が降ろうと革靴を履かなければ行けない場合も多い。
今回は、雪道での革靴について解説していこう。
目次
雪道に強い革靴はどんな靴?
雪道で革靴が使いづらい理由は
・滑るから
・水が染み込むから
・靴が傷むから
の3点だろう。逆に言えば、この3つが起こりにくい革靴が「雪道に強い」といえる。
結論からいうと、
降雪地帯の場合 → 「コロバンショ」搭載のブーツ
そうでない地域の場合 → ゴツめのゴムソールを用いたブーツ or 短靴
がおすすめだ。
スリップ対策は「靴底」が決め手
滑らないためには靴底にこだわることが必要だ。
ただし、「ゴム底なら何でもいい」というわけにはいかない。
雪が多い地域はリーガルの「コロバンショ」がおすすめ
降雪地帯に住む人は雪道に特化した靴を用意しておくといいだろう。おすすめは国産の革靴メーカー「リーガル」の「コロバンショ」という底材を搭載したモデルだ。
「コロバンショ」はスタッドレスタイヤを参考に、
・着雪しにくく、雪道でも地面をつかめる形状
・不安定な地面でも体重をかけられる柔らかさ
をもたせた底材だ。
ただし「柔らかい」ということは「削れやすい」ということ。雪道以外で使うと靴底の寿命が短くなる。靴底の張替え修理もできる仕様ではあるが、有料になるので注意しよう。
補足:融雪剤に強い革を選ぶ
降雪地帯の場合、革にも注意して靴選びをしよう。
表面加工のされていない本革の靴は、融雪剤に弱い。
融雪剤には「塩化カルシウム」という成分が含まれており、革に付着すると硬化やシミの原因となってしまう。
この場合、表面加工のされたガラスレザーや合成皮革の靴を選ぶ
ことも重要だ。
雪の少ない地域は「線状」のソールパターンの靴を
東京など雪が降らない、もしくは少ない地域にお住まいであれば、無理に「コロバンショ」のような雪道特化シューズを用意する必要はない。
この場合は起伏が大きく、防滑性の高いソールの靴を用意すれば大丈夫だ。これらのソールは
・線状の凹凸のため排水性が高く、地面をつかみやすい
・靴底の「高さ」を稼げるため、浸水リスクが低い
ため、多少の雪であれば滑りにくい。
普通のゴム底は滑る
一般的なゴム底は滑りやすいのでやめておこう。
写真のような底材は見た目こそスマートだが、
・底が平らなため、地面をつかむ力が弱い
・靴底が低くなってしまい、すぐに浸水する
という弱点がある。
浸水対策はビジネスでも使える「ブーツ」がいい
浸水に強い革靴は、ブーツタイプの革靴だ。
革靴でもっとも浸水しやすいのは「履き口」の部分だが、ブーツなら足首まで防御できる。
ビジネスでも使いやすいブーツを2パターン紹介しよう。
サイドゴアブーツ
横にゴムが付いたブーツのこと。装飾のないものほどビジネスに向いている。
紐を使わないので、脱ぎ履きも楽だ。形がシンプルなので、スーツにも合わせやすい。
チャッカブーツ
紐がついているので、よりかしこまった特徴を持っている。
ブーツの中でも最もフォーマルに近い型なので、黒であれば多少お堅い職場でも使えるだろう。
革靴の傷みは「お手入れ」にかかっている
雪に降られたら、まずは乾かすことが先決だ。場合によっては丸洗いも考えよう。
その後、クリームを使った通常のお手入れを行っていこう。
熱&急激な乾燥はNG
乾かすときは必ず自然乾燥にしよう。間違ってもドライヤーや布団乾燥機の温風モードを使ってはいけない。
革は熱を加えると変質し、縮んでしまう。また、靴に使われる接着剤は熱で溶けてしまうため、パーツの接合力が弱まる。その結果、型崩れをしたり靴底が剥離して使えなくなってしまう。
靴を乾かすときはつま先を上にして斜めに立てかけよう。
クリームを入れながら乾かす
乾かす際にもう1つ重要なポイントは、半日に1回ほどクリームを入れながら乾かすことだ。
水が蒸発する際に革の潤いまで一緒に飛んでしまうため、ただ乾かすだけだと革がカサカサに固くなってしまう。そうならないよう、潤いを補充しながら乾燥させるのだ。
使用するクリームは水分と栄養分が配合された「デリケートクリーム」を使おう。
最後に、油分を補給する
最後に油性クリームを入れて磨き上げよう。
常に「水分」「栄養分」「油分」の3つを含んだ状態にすれば、革をいい状態に保つことができる。乾燥の段階で補えなかった油分を補給し、ブラシで磨き上げればお手入れは完了だ。
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